研究 右室梗塞を合併した急性心筋梗塞

書誌事項

タイトル別名
  • Acute right ventricular infarction complicating left ventricular infarction: hemodynamics, clinical courses, coronary angiograms, and left and right ventriculograms
  • 急性期血行動態,臨床経過,冠動脈造影所見,左室および右室造影所見の検討

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説明

14例の右室梗塞を合併した急性心筋梗塞について,Swan-Ganzカテーテルから得た血行動態の経時的推移,心電図所見,冠動脈造影所見,左室および右室造影所見について検討し,治療法としての大量輸液につき考察を加えた.14例は全例心電図上少なくともII IIIa VFにSTの上昇を示し,14例中11例は徐脈性不整脈を伴った.入院直後のPADPは平均12.4mmHg,RAPは平均10.9mmHg,CIは平均1.79l/min・m2であったが,CIは発症後第2,3日にRAPの上昇を伴い最も低下した.輸液療法の奏効した群では,低心拍出量の改善と尿量の病日ごとの漸増を認めたが,合併症を併発した群では心係数の漸増にもかかわらず尿量は漸減しこの群の3例中2例は死亡した.冠動脈造影を行った12例全例に右冠動脈近位部に75%以上の狭窄病変を認め,右室asynergyを12例中10例に認めた.左室造影では12例全例に下壁に著しいasynergyを認め,心尖部,後壁に及ぶasynergyをそれぞれ12例中6例に認めた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 12 (11), 1258-1270, 1980

    Japan Heart Foundation

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