第11回心臓性急死研究会 僧帽弁形成術後の心室細動にICD植込み術を行ったBarlow's syndromeの1例

DOI
  • 籏 義仁
    岩手医科大学附属循環器医療センター第2内科
  • 千葉 直樹
    岩手医科大学附属循環器医療センター第2内科
  • 照井 克俊
    岩手医科大学附属循環器医療センター第2内科
  • 安孫子 明彦
    岩手医科大学附属循環器医療センター第2内科
  • 鎌田 潤也
    岩手医科大学附属循環器医療センター第2内科
  • 鈴木 知巳
    岩手医科大学附属循環器医療センター第2内科
  • 中居 賢司
    岩手医科大学附属循環器医療センター第2内科
  • 江石 清行
    岩手医科大学附属循環器医療センター第3外科
  • 川副 浩平
    岩手医科大学附属循環器医療センター第3外科
  • 平盛 勝彦
    岩手医科大学附属循環器医療センター第2内科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of Barlow's syndrome with ICD implantation due to ventricular fibrillation followed by mitral valve repair

抄録

Barlow's syndrome は, Primary billowing mitral leaflets により僧帽弁逸脱症を生じる症候群である.多くは無症候性で予後は良好であるとされている.しかし,不安,胸痛,動悸,めまいや失神といった症状を認める一群がある.その中にホルター心電図や運動負荷心電図で多源性心室性期外収縮や心室性期外収縮の連発あるいは心室頻拍・心室細動を認めて,突然死の危険性が高い症例があるとする報告がある.今回我々は僧帽弁形成術後に心室細動を発症してICD植込み術を行ったBarlow's syndromeの1例を経験したので報告する.<BR>症例は39歳男性.うっ血性心不全の既往があり,僧帽弁閉鎖不全症の手術目的で当センターに入院した.心エコー図検査で僧帽弁前後尖ともに巨大で,逸脱によるIII度の僧帽弁逆流を認めた.さらに腱索の延長があり, Barlow's syndrome と診断した.僧帽弁形成術を行い,術後の経過は順調であった.術後の心電図で一過性QT延長を認めた.退院の翌日家族の前で突然意識を失い,家族が心肺蘇生法を行って当センターに搬送した.到着時の心電図は心室細動であり,電気的除細動により洞調律に回復した.加算心電図で心室遅延電位(LP)陽性であり,LPは前胸部下壁面に分布していた.その後に植込み型除細動器(ICD)の植込み術を行った.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 31 (Supplement4), 91-95, 1999

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205487182592
  • NII論文ID
    130004414420
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.31.supplement4_91
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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