第11回臨床不整脈研究会 通電局所にて斜走副伝導路の潜伏性順行伝導の電位が記録された潜在性WPW症候群の1例

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タイトル別名
  • A case with a slanted concealed atrioventricular accessory pathway in whom local potential reflecting anterograde concealed conduction over the accessory pathway could be recorded at the successful ablation site.

抄録

症例は70歳男性.10年来自覚する動悸発作に対する精査目的で入院.入院時12誘導心電図に異常なし.心臓電気生理学的検査を施行.心室刺激では,冠静脈洞(CS)左側側壁を最早期興奮部位(EAS)とし軽度の減衰伝導特性を有する室房伝導を認め,EASにおけるVA間隔は右室基部後壁ペーシングに比し右室流出路刺激で大であった.イソプロテレノール持続静注下の心室頻回刺激で同様の逆行伝導を介する房室回帰性頻拍が誘発された.洞調律中の僧帽弁下部のマッピングでは,EASでは単一の心房波(A波)を認めたが,冠静脈洞近位方向に移動すると,A波に引き続く副伝導路電位(KP)が記録され,近位ほど両者の間隔が増大した.また,CS先端ペーシングではいずれの部位でも単一のA波を認めるのみであった.EASの2.5cm近位において,心室刺激で局所心室波の直後に逆行性KP,その40msec後に逆行性A波が記録され,同部位での通電開始1.8秒後に副伝導路を介する逆行伝導が途絶した.<BR>斜走副伝導路の潜伏性順行伝導の電位が記録された潜在性WPW症候群を報告する.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 31 (Supplement5), 61-70, 1999

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205487213184
  • NII論文ID
    130004414439
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.31.supplement5_61
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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