臨床 WPW症候群における発作性心房細動について
書誌事項
- タイトル別名
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- Paroxysmal atrial fibrillation in Wolff-Parkinson-White syndrome
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説明
発作性心房細動(af)を合併したWPW症候群31例について検討した.頻拍発作の回数は初回発作の5例を含め10回以下の症例が多かったが,症状は重篤なものが多かった.Af時のQRS波形は早期興奮波形のみを示したものが22例(A症),正常房室伝導波形のみを示したものが3例(C群),両者の混在したものが6例(B群)であった.A群の19例でaf時最短RR間隔が250msec未満の速い心室応答を認め,3例の間欠性WPWも含まれた.Af時の早期興奮波形の最短RR間隔は副伝導有効不応期より短かった.年齢と最短RR間隔の間にA群に限って弱い相関を認めた.器質的心疾患の有無による最短RR間隔の差は有意ではなかった.臨床上回帰性頻拍を認めないものが多く,これらの症例では最短RR間隔は短かった.プロカインアミドの効果は必ずしも十分ではなかった.31例中19例に外科的副伝導路切断術を施行した.<BR>したがって以下のように結論される.WPW症候群のafは発作回数は少なくても,間欠性WPWを含めて,速い心室応答を示し重症となるものが多い.RT合併例はむしろ少なく,突然afで発症するものも多い.抗不整脈薬の効果は不十分な場合もあり,手術療法も積極的に考慮すべきと考えられる.
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 21 (6), 693-699, 1989
Japan Heart Foundation
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205487438464
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- NII論文ID
- 130004135604
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- ISSN
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可