症例 右大動脈弓に合併した大動脈弓離断症の1症例
書誌事項
- タイトル別名
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- A case of interrupted aortic arch complicated with right aortic arch
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説明
右大動脈弓を伴った大動脈弓離断症の1症例を経験した.症例は日齢11の男児で哺乳力低下,四肢冷感黄疸を主訴に来院した.頻脈,陥没呼吸,肝腫大を認め,右上肢および下肢の脈拍は触知困難であった.入院時検査では高ビリルビン血症,高K血症,代謝性アシドーシスを認め,胸部X線写真上,心拡大と肺血管陰影の増強を認めた.断層心エコーにて大動脈弓は抽出されず,逆行性右嶢骨動脈造影にて右鎖骨下動脈,右下行大動脈のみが造影され,右大動脈弓に合併した大動脈弓離断症と診断した.Prostaglandin E1(以下PGE1)製剤,強心剤等の投与を行ったが,日齢12に死亡した.大動脈弓離断症は先天性心疾患の中でも比較的まれな疾患であり,そのほとんどが左大動脈弓の離断である.本症例は右大動脈弓の離断でCeloria-Patton分類のB型の鏡像形であり,極めてまれな症例と思われた.右大動脈弓に合併した症例は現在までに十数例が報告されているが,そのほとんどがCeloria-Patton分類のB型であり,また,DiGeorge症候群の合併率が高いという特徴を有していた.
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 23 (10), 1134-1139, 1991
Japan Heart Foundation
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205487796864
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- NII論文ID
- 130004135640
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- ISSN
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可