症例 大動脈弁上狭窄症姉妹例の根治手術

書誌事項

タイトル別名
  • Familiar supravalvular aortic stenosis
  • -Surgical correction of two siblings-

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説明

13歳と23歳の2人姉妹のうち,両者とも大動脈弁上狭窄症のため根治手術をうけた.手術後2年間経過を観察してきたが,両者とも,きわめて良好である.手術前,胸部X線像で心拡大はなかったが,大動脈造影で著明な弁上狭窄を認め,左室から大動脈までの引き拔き圧曲線では著明な圧差を狭窄部の上下に認めた.姉妹とも知能発育低下や代謝障害などはなかった.理学的には胸骨上部に収縮期駆出性心雑音を聴取した.手術は,人工心肺回転下で大動脈弁上狭窄部を縦切開し,狭窄部tlcDacron片を縫着し拡大術を施行している.症例1(妹)では,手術後,心雑音が消失し圧差も消失した.症例2(姉)では.手術後,2度の収縮期心雑音と,狭塞切除部に多少の圧差が残存している.大動脈弁上狭塞症の同胞例報告はあるが,同胞をともに根治手術したという報告は,本邦で最初であり,文献上では2番目である.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 9 (8), 746-751, 1977

    Japan Heart Foundation

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