第39回理論心電図研究会 Andersen症候群から学ぶU波の成因

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タイトル別名
  • Generation of the U wave-Lesson from Andersen syndrome

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説明

Einthovenにより命名されたU波は,いまだにその成因や構造について明らかにされていない.また各種病態により生じる異常なU波についても不明なことが多く残されたままである.カリウムチャネルの遺伝子異常(KCNJ2)により骨格異常,周期性四肢麻痺,QT延長と心室性不整脈を来すAndersen症候群は,U波の異常を示す疾患として最近注目されている.われわれはこれまでに7家系13人のAndersen症候群患者から6つのKCNJ2遺伝子異常を同定した.計測可能であった12人のU波を検討したところ,平均振幅は0.23±0.02mVと増高,先行するT波との振幅比は0.95±0.2と異常高値であった.さらに心室性不整脈が80%の症例に認められ,その心室性期外収縮はR on U型となる長い連結期で出現していた.新たに同定された遺伝子異常(Gl46S)をパッチクランプ法により機能解析し,このデータを基に心筋活動電位モデル(Kyoto model)にてシミュレーションを行った.再分極の遅延により活動電位はなだらかに延長し,遅延後脱分極の発生につづく心室性期外収縮が観察された.これらのことによりAndersen症候群におけるU波の成因に,遅延後脱分極が関与している可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 37 (6), 536-542, 2005

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205491491968
  • NII論文ID
    130004136532
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.37.6_536
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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