第16回心臓性急死研究会 1:1房室伝導の心房粗動に心室頻拍を合併し,治療方針決定に難渋した拡張型心筋症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of dilated cardiomyopathy with atrial flutter in 1:1 A-V nodal conduction and ventricular tachycardia, which find it difficult to decide on courses of treatment

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説明

68歳女性.拡張型心筋症(左室駆出率20%)による心不全増悪にて入院.安静時心電図は洞徐脈で,通常型と非通常型心房粗動および心房細動発作をも認めた.粗動時に1:1房室伝導のためにショック状態となった.通常型心房粗動にはカテーテル焼灼術を行った.その後も非通常型心房粗動は繰り返し出現し,持続すると心室頻拍を誘発し直流除細動を要した.ニフェカラントおよびソタロールを用いたが効果は充分でなかった.本例は高度の心機能低下を伴う拡張型心筋症で,頻発する心房粗動に心室頻拍を伴うため,房室ブロック作成と植込み型除細動器植込みの適応があると判断したが,本邦の現状をふまえ,両心室ペースメーカー治療を優先させた.治療後,心房粗細動および心室頻拍の合併はみられなくなった.今後,植込み型除細動器と房室ブロック作成の治療をどのように展開していくかが重要と考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 36 (Supplement3), 35-41, 2004

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205492670592
  • NII論文ID
    130004415337
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.36.supplement3_35
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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