Cephalexin持続性製剤 (S-6436) と尿性器感染症

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タイトル別名
  • SUSTAINED RELEASE CEPHALEXIN (S-6436) AND GENITOURINARY TRACT INFECTION
  • Cephalexin ジゾクセイ セイザイ S- 6436 ト ニョウ セイキ

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抄録

日常広く臨床的に用いられているCephalosporin製剤の経口剤Cephalexin (CEX) については, ここに改めて多言を要するまでもなく, 感染症治療剤として今日最も多用され, かっすぐれた抗生剤の1つである。<BR>このように広範囲に用いられるということは, 副作用が少なく, かつ広いスペクトラムをもつ薬剤であるばかりか, 経口剤でもある点から外来的投薬も可能であるということなどによるものであるが, 強いて欠点というならば, 血中濃度維持時間が比較的短く, しかも吸収の面からは食事条件にきわめて左右されやすく, 空腹時には, 食後内服にくらべ1~2時間早く血中濃度ピークが始まつたりする。どちらにしても, 8時間前後には血中からは消失するということから, 一般には原則的に1日4回分服という服用方式をとらざるを得なかつた。幸い, 尿路のほうでは, 尿中排泄状況が血中とはやや異なるので, 1日3分服 (8時間毎) という方式でも十分治療効果は期待できる。この度, 従来のCEX胃溶顆粒のほかに, PH 6.0以上ではじめて溶出する腸溶顆粒も開発されて, この両者を胃溶顆粒3: 腸溶顆粒7の割合で混合し, 食後経口投与することによつて著るしく吸収排泄時間を延長させることができ, 結果的には有効血中濃度も従来のCEX剤にくらべ, ほぼ2倍の時間を維持することが可能になつた。また, 尿中濃度や排泄率についても, 血中濃度のばあいと同様で, 本混合型のCEXでは従来のものよりは最高ピークがやや低くなるものの, 4時間位おくれて出現し, しかもカーブはより幅を増して, 従来のCEX単独のばあいにくらべ, 同量でも著るしく排泄時間を廷長し, ほぼ12時間近くまでは有効尿中排泄率をみとめ, 十分に有効尿中濃度を延長維持できることがわかつた。<BR>今回,このようなCEX混合顆粒を1カプセル中にCEXとして250mg相当を含む製剤S-6436の提供をシオノギ製薬からうけ, 各種尿性器感染症について臨床試用をしてみる機会があつたので, それらの成績について述べる。

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