尿路感染症分離菌に対する経口並びに注射用抗菌薬の抗菌力比較 (第23報2001年)

書誌事項

タイトル別名
  • COMPARATIVE STUDIES ON ACTIVITIES OF ANTIMICROBIAL AGENTS AGAINST CAUSATIVE ORGANISMS ISOLATED FROM PATIENTS WITH URINARY TRACT INFECTIONS (2001)
  • II. BACKGROUND OF PATIENTS
  • その2. 患者背景

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抄録

2001年9月から12月までの間に全国10施設において尿路感染症と診断された412症例から分離された531菌株を供試し, それらの患者背景について性別・年齢別と感染症, 感染症と菌種, 年齢別感染症別菌分離頻度, 抗菌薬投与時期別の菌と感染症, 感染防御能低下に影響を及ぼす因子・手術 (以下因子・手術) の有無別の菌と感染症などにつき検討した。<BR>年齢あるいは性と感染症の関連についてみると, 男性の症例は50歳未満が少なく, 感染症別ではカテーテル非留置複雑性尿路感染症が最も多かった。女性の症例では20歳未満が少なく, 感染症別では80歳未満の症例の大部分が単純性尿路感染症であった。感染症と菌種についてはEscherichia coliは感染症が複雑になるに従い減少し, Pseudomnas aeruginosaおよびEnterococcus faecalisは感染症が複雑になるに従い増加した。これらを年齢別にみると, 単純性尿路感染症では20歳以上の症例でEcoliの分離頻度が加齢に伴い緩やかに減少した。また, カテーテル非留置複雑性尿路感染症では, E. faecalisの分離頻度が, 加齢とともに増加した。カテーテル留置複雑性尿路感染症では, P. aeruginosaの分離頻度が年齢とともに減少した。いずれの感染症でもE. coliは抗菌薬投与後症例 (以下「投与後」) において分離頻度は少なく, P. aeruginosaおよびE. faecalisは投与後で多く分離された。因子・手術の有無別, 感染症別に分離菌をみると, E. coliは, 単純性尿路感染症およびカテーテル非留置複雑性尿路感染症において因子・手術の無で多く分離され, 君aeruginosaは単純性尿路感染症およびカテーテル留置複雑性尿路感染症において因子・手術の有で多く分離された。単純性尿路感染症では, Klebsiella spp., P. aeruginosa, E. faecalisなどは因子・手術の有で著明に多く分離された。カテテル非留置複雑性尿路感染症では, Klebsiella spp.が因子・手術の有で多く分離された。カテテル留置複雑性尿路感染症では, Staphylococcus aureusおよびStaphylococcus spp.が因子.手術の無で多く分離された。

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