尿路感染症分離菌に対する経口ならびに注射用抗菌薬の抗菌力比較 (第24報2002年)

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • COMPARATIVE STUDIES ON ACTIVITIES OF ANTIMICROBIAL AGENTS AGAINST CAUSATIVE ORGANISMS ISOLATED FROM PATIENTS WITH URINARY TRACT INFECTIONS (2002)
  • II. BACKGROUND OF PATIENTS
  • その2. 患者背景

抄録

2002年8月から2003年7月までの間に全国13施設において尿路感染症と診断された491症例から分離された615菌株を供試し, その菌種の分離頻度を患者背景別に比較した。患者背景は, 性別, 年齢, 感染症, 抗菌薬投与時期, 感染防御能低下に影響を及ぼす因子・手術 (以下因子・手術) の有無であった。<BR>年齢あるいは性別と感染症の関連についてみると, 男性の症例は50歳未満が少なく, 感染症別ではカテーテル非留置複雑性尿路感染症が多い傾向にあった。今回, 最も多く分離された菌種はEscherichia coliで, つぎに比較的多かったものがPseudomonas aeruginosaおよびEnterococcus faecalisであった。E. coliは単純性尿路感染症に比し, 複雑性尿路感染症での分離頻度は少なく, P. aeruginosaは複雑性尿路感染症での分離頻度が高かった。E.faecalisは単純性尿路感染症よりも複雑性尿路感染症で高頻度に分離される傾向にあった。これらを年齢別にみると, 単純性尿路感染症では, いずれの年齢層においてもE. coliの分離頻度が最も高く, 20-49歳では70.8%を占めた。また, カテーテル非留置複雑性尿路感染症においては, E. coliの分離頻度は加齢とともに減少し, 70歳以上の症例では, E.coliの分離頻度はE. faecalisより低かった (18.3 vs 20.6%) 。カテーテル留置複雑性尿路感染症におけるE. coliの分離頻度は, いずれの年齢層でも, 単純性尿路感染症における分離頻度より低く, P. aeruginosaおよびE. faecalisの分離頻度は高かった。分離菌を抗菌薬投与前後で比較すると, いずれの感染症においても, E. coliは投与後で少なく, P. aeruginosaは投与後に多く分離された。分離菌を因子・手術の有無別に比較すると, いずれの感染症においても, E. coliは因子・手術無で多く分離され, P. aeruginosaは因子・手術有で多く分離された。E. faecalisは, 単純性尿路感染症およびカテーテル非留置複雑性尿路感染症では因子・手術有で多く分離され, カテーテル留置複雑性尿路感染症では因子・手術無で多く分離された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205493370112
  • NII論文ID
    130004131047
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.57.275
  • COI
    1:STN:280:DC%2BD2cvms1eqtA%3D%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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