尿路感染症分離菌に対する経口ならびに注射用抗菌薬の抗菌力比較 (第25報2003年)

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書誌事項

タイトル別名
  • COMPARATIVE STUDIES ON ACTIVITIES OF ANTIMICROBIAL AGENTS AGAINST CAUSATIVE ORGANISMS ISOLATED FROM PATIENTS WITH URINARY TRACT INFECTIONS (2003)
  • II. BACKGROUND OF PATIENTS
  • その2.患者背景

抄録

2003年8月から2004年7月までの問に全国14施設において尿路感染症と診断された565症例から分離された719菌株を供試し, その菌種の分離頻度を患者背景別に比較した。患者背景は, 性別, 年齢, 感染症, 抗菌薬投与時期, 感染防御能低下に影響を及ぼす因子・手術 (以下因子・手術) の有無であった。<BR>年齢および性生別と感染症の関連についてみると, 男性の症例は50歳未満が少なく, 感染症別ではカテーテル非留置複雑性尿路感染症が多い傾向にあった。女性では男性に比べ20-39歳の症例が比較的多くみられた。感染症別では, 0-9歳および70-79歳を除くすべての年齢層で, 単純性尿路感染症の占める割合が高く, 44.4-91.7%であった。今回, 最も多く分離された菌種はEscherichia coliで, つぎに比較的多かったものが, Pseudomonas aeruginosaおよびEnterococcus faecalisであった。E.coliは単純性尿路感染症で最も多く, PaeruginosaおよびE.faecalisは複雑性尿路感染症のカテーテル留置例で多くみられた。これらを年齢別にみると, 単純性尿路感染症では, いずれの年齢層においてもE.coliの分離頻度が最も高く, 40%以上を占めた。また, カテーテル非留置複雑性尿路感染症においては, E.coliの分離頻度は加齢とともに減少したが, いずれの年齢層においても最も高い値を示した。カテーテル留置複雑性尿路感染症におけるE.coliの分離頻度は, いずれの年齢層でも, 単純性尿路感染症におけるより低く, P.aeruginosaおよびE.faecalisの分離頻度は, 高くなる傾向にあった。分離菌を抗菌薬投与前後で比較すると, いずれの感染症においても, P.aeruginosaは投与後に多く分離された。分離菌を因子.手術の有無別に比較すると, いずれの感染症においても, E.coliは因子.手術無で多く分離され, P.aeruginosaおよびE.faecalisは因子・手術有で多く分離された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205493540608
  • NII論文ID
    130004396030
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.58.544
  • COI
    1:STN:280:DC%2BD287jtl2msg%3D%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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