尿路感染症分離菌に対する経口並びに注射用抗菌薬の抗菌力比較 (第22報 2000年)

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タイトル別名
  • COMPARATIVE STUDIES ON ACTIVITIES OF ANTIMICROBIAL AGENTS AGAINST CAUSATIVE ORGANISMS ISOLATED FROM PATIENTS WITH URINARY TRACT INFECTIONS (2000)
  • III. SECULAR CHANGES IN SUSCEPTIBILITY
  • その3. 感受性の推移

抄録

2000年8月から翌年7月までの間に全国10施設において, 尿路感染症と診断された患者から分離された菌株 (Enterococcus faecalis, Staphylococcus aureus, Escherichia coli, Klebsiella spp., Pseudomonas aeruginosa) を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定し, 1992~1999年と2000年の感受性を比較した。比較は菌種を単純性尿路感染症と複雑性尿路感染症 (カテーテル非留置とカテーテル留置を含む) に分類して行った。<BR>E. faecalisなはAmpicillin (ABPC) とImipenem (IPM) に対して良好な感受性を示し, MIC90は2μg/mlであった。また, Vancomycin (VCM) に対しても感受性は良好であったが, 複雑性尿路感染症においてMICが4μg/mlを示す株が以前に比べて増加し, 1992年以降で初めてMIC90が2μg/mlから4μg/mlに上昇した。S. aureusでは, 1998~1999年に認められた複雑性尿路感染症におけるArbekacin (ABK) に対する感受性の低下が回復し, MICが4μg/mlを越える株は検出されなかった。E. coliではCTMのMIC90が0.25μg/ml~0.5μg/ml, 同様にCZOPでは≤0.125μg/mlと良好で耐性化は認められていなかった。また, その他の薬剤についても, ペニシリン系薬剤を除き感受性は良好であった。しかし, キノロン系薬剤であるCipronoxacin (CPFX) とSparnoxacin (SPFX) に対する感受性の低下が, 特に複雑性尿路感染症で認められた。Klebsiella spp.の感受性は, いずれの薬剤に対しても大きな変化は認められず, ペニシリン系薬剤を除き, 全般的に良好であった。P. aeruginosaではカルバペネム系薬剤に対する感受性が良好であったが, 前年度に比べると, 複雑性尿路感染症においてMIC90が4μg/mlから16μg/mlに上昇した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205494042752
  • NII論文ID
    130004395950
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.55.568
  • COI
    1:STN:280:DC%2BD3s%2Fis1ShtA%3D%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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