新しいピリドンカルボン酸系経口抗菌剤T-3262の一般薬理作用

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  • GENERAL PHARMACOLOGY OF T-3262, A NEW PYRIDONECARBOXYLIC ACID

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抄録

T-3262の一般薬理作用を検討し, 以下の成績を得た。<BR>1. 中枢神経系に対し, T-3262は100~1,000mg/kg経口投与で作用を示さなかったが, 10~30mg/kg静脈内投与でネコの脳波に徐波化を示した。<BR>2. 呼吸, 循環器系に対し, T-3262は無麻酔ラット及び麻酔ウサギではそれぞれ100~1,000mg/kg経口投与及び3~30mg/kg静脈内投与でほとんど作用を示さなかった。しかし, 麻酔イヌでは, T-3262は3~10mg/kg静脈内投与で用量依存的な呼吸数増加, 血圧下降, 心拍数減少及びT波増高, QRS低電位化, RR間隔延長などの心電図変化を示した。<BR>3. ラット腎機能に対し, T-3262は300~1,000mg/kg経口投与で電解質排泄増加作用を示したが, PSP排泄には影響を与えなかった。<BR>4. 自律神経系及び平滑筋においては, T-3262は1,000mg/kg経口投与でラット胃排出の軽度抑制及びマウス瞳孔のごくわずかな縮小を示したが, 1~30mg/kg静脈内投与で麻酔ネコ瞬膜の収縮には影響を与えなかった。T-3262は10-5~10-4g/mlで摘出胃, 回腸及び子官運動を充進させ, 摘出結腸運動を抑制した。<BR>5. 血液においては, T-3262は100~1,000mg/kg経口投与で出血時間, 血液凝固, 血小板凝集及び血糖値に対し影響を与えなかった。<BR>6. その他, T-3262は1,000mg/kg十二指腸内及び経口投与でそれぞれラットでの胃液分泌及び後肢足蹠のCarrageenin浮腫を軽度に抑制したが, 神経筋接合部及び胆汁分泌に対してはそれぞれ3~30mg/kg静脈内投与及び100~1,000mg/kg経口投与で作用を示さなかった。

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