小児細菌感染症に対するfaropenemの有効性および安全性の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacy and safety of faropenem in pediatric patients with bacterial infectious diseases
  • ショウニ サイキン カンセンショウ ニ タイスル faropenem ノ ユウコウセイ オヨビ アンゼンセイ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

唯一の経口ペネム系抗菌薬であるfaropenem (FRPM, ファロム®ドライシロップ小児用) は, 小児の用法・用量が確立された抗菌薬の中で, ペニシリン耐性肺炎球菌 (peni-cillin-resistant Streptococcus pneumoniae, PRSP) に対して高い抗菌活性を有する数少ない薬剤のひとつである。<BR>今回, 軽症から中等症の小児細菌感染症 [上気道炎 (咽頭炎・扁桃炎), 気管支炎, 中耳炎, 尿路感染症] 113例に対して, FRPMドライシロップを1日15-30mg/kg分3, 3-8日間経口投与し, 有効性および安全性を検討した。なお, A群β溶血性連鎖球菌 (Group A Streptococci, GAS) 感染症の場合は5-14日間投与により検討した。<BR>疾患別の有効率は, 上気道炎63/70例 (90.0%), 気管支炎6/7例, 中耳炎16/17例 (94.1%), 尿路感染症6/6例であり, 各疾患に対して良好な臨床効果が得られた。またFRPMは, S. pneumoniaeに対して優れた抗菌活性と良好な田の消失率を示した。安全性に関して, 重篤な有害事象は認められず, 副作用は12.5% (14/112例) で全例が下痢であった。下痢の発現の頻度に関しては, 他のβ-ラクタム系抗菌薬と大きな違いはなかった。服用性について, FRPMは極めて良好であることが確認された。<BR>以上の結果より, FRPMはペニシリン系抗菌薬ならびにセフェム系抗菌薬とともに, 小児細菌感染症の治療に有用であると考えられた。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ