尿路感染症分離菌に対する経口並びに注射用抗菌薬の抗菌力比較 (第17報1995年)

書誌事項

タイトル別名
  • COMPARATIVE STUDIES ON ACTIVITIES OF ANTIMICROBIAL AGENTS AGAINST CAUSATIVE ORGANISMS ISOLATED FROM PATIENTS WITH URINARY TRACT INFECTIONS (1995)
  • II. BACKGROUND OF PATIENTS
  • その2. 患者背景

抄録

1995年6月から翌年5月までの間に全国11施設において尿路感染症と診断された患者から分離された菌株を供試し, それらの患者背景について性別・年齢別と感染症, 年齢別感染症別菌分離頻度, 感染症と菌種抗菌薬投与時期別の菌と感染症, 因子・手術の有無別の菌と感染症などにつき検討した。<BR>年齢と性及び感染症の関連についてみると, 男女とも50歳以上の症例が多く, 全体の74.2%を占めた。男性では50歳以上の症例の割合は女性よりも高く80.5%を占め, その80%以上が複雑性尿路感染症であった。女性では69.7%を50歳以上の症例が占めるが, 20歳代の症例も12.6%と比較的多かった。感染症については60歳未満では, 単純性尿路感染症が過半数を占めるが, 60歳以上では複雑性尿路感染症が過半数を占めた。年齢や感染症別の分離菌をみると, 単純性尿路感染症で最も多く分離されたのはEscherichia coliで48.5%を占めたが,感染症が複雑になるにつれ減少し,カテーテル留置複雑性尿路感染症では6.0%しか分離されなかった。これと逆の傾向にあったのがPseudomonas aeruginosa, Enterococcus faecalis, Staphylococcus aureusなどであった。年齢別では多少の違いはあるものの, 明らかな傾向は認められなかった。薬剤投与前後における感染症別の菌分離頻度をみると, 単純性尿路感染症では, 投与前はE. coliが最も多く分離され53.6%を占めたが,投与後では12.1%に減少し, 代わってE. faecalisが最も多く分離され18.2%を占めた。カテーテル非留置複雑性尿路感染症でも, 投与前はE. coliが最も多く分離され22.0%を占めたが, 投与後はP. aeruginosa, E. faecalisが多く分離され, それぞれ16.9%, 13.3%を占めた。カテーテル留置複雑性尿路感染症ではE. faecalis, Proteus spp., E. coliなどは投与前の方が分離頻度は高く, P. aeruginosa, S. aureusは投与後の分離頻度の方が高かった。分離菌を因子・手術の有無別, 感染症別にみるといずれの感染症においてもE. coliは無の方で多く分離され,逆にE. faecalisは有の方で多く分離される傾向にあった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205496904064
  • NII論文ID
    130004395798
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.50.251
  • COI
    1:STN:280:DyaK1c3js1altA%3D%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • PubMed
    9575354
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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