雑性尿路感染症に対するS6472 (Cefaclor持続性製剤) とCefaclor通常製剤の二重盲検比較試験

書誌事項

タイトル別名
  • A DOUBLE-BLIND COMPARATIVE STUDY ON S 6472 (A LONG ACTING CEFACLOR) VERSUS CONVENTIONAL CEFACLOR PREPARATION IN COMPLICATED URINARY TRACT INFECTIONS

抄録

カテーテル非留置の複雑性尿路感染症に対するS6472 (Cefaclor持続性製剤) の有効性, 安全性及び有用性を客観的に検討する目的でCefaclor通常製剤 (以下CCL) を対照薬として二重盲検比較試験を行った。<BR>S6472は1回750mgを1日2回, CCLは1回500mgを1日3回で5日間経口投与した。臨床効果の判定はUTI薬効評価基準 (第3版) に従い行つた。その結果以下の成績を得た。<BR>1.S6472投与群とCCL投与群の背景因子の分布に有意な偏りは認あられなかった。<BR>2.総合臨床効果はS6472投与群で76.2%, CCL投与群で75.5%の有効率であり, 両群間に有意差は認められなかった。UTI群別にみた効果についても, 2, 3, 4, 6群のいずれにおいても両群間に有意差を認めなかった<BR>3.主治医により判定された臨床効果において, 両群間に有意差は認められなかった。<BR>4.細菌学的効果はS6472投与群で81.2%, CCL投与群で78.3%の菌消失率を示し, 両群間に有意差は認められなかった。<BR>5.副作用の発生率はS6472投与群で2.9% (4例/139例), CCL投与群で0.7% (1例/141例) であり, 両群間に有意差は認あられなかった。臨床検査値異常変動はS6472投与群で94例中3例4件, CCL投与群で100例中5例5件が認められたが, 両群間に有意差を認めなかった。なお, 副作用及び臨床検査値異常変動はいずれも軽度且つ一過性であつた。又, 副作用と臨床検査値異常変動を考慮して主治医が判定した概括安全度においても, 両群間に有意差は認められなかった。<BR>6.有効性及び安全性を勘案して主治医により判定された有用性において両群間に有意差は認められなかった。<BR>以上の成績から, カテーテル非留置の複雑性尿路感染症に対してS6472は有効性, 安全性, 有用性においてCCL通常製剤と同等の優れた成績を示し, 1日2回投与という便利性を有する点から有用度の高い薬剤と考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205497149952
  • NII論文ID
    130004395066
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.43.1873
  • COI
    1:STN:280:DyaK3M7ktVyksA%3D%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • PubMed
    2287055
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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