X線分割照射NFS系マウスにおけるリンパ造血系組織の回復過程

書誌事項

タイトル別名
  • The Recovery Kinetics of Lymphohematopoietic Tissues in NFS Mice after Split-dose X-irradiation
  • X線分割照射NFS系マウスにおけるリンパ造血系組織の回復過程〔英文〕
  • Xセン ブンカツ ショウシャ NFSケイ マウス ニ オケル リンパ ゾウケツ

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抄録

放射線リンパ腫高発系のNFS系マウスに, X線を1.7Gyづつ4回分割照射し, 約3ヵ月間リンパ造血系組織の回復を調べた。最終照射24時間後の胸腺重量, 脾臓重量はほぼ同程度に減少した (正常値の42%と43%) 。胸腺重量は照射3週後まで減少を続け, 次第に回復し, 8週後にはほぼ正常値に近づいたのに対し, 脾臓重量は照射1週後には正常値の70%に回復したものの, 以後の回復は遅滞した。照射24時間後の胸腺の細胞数は著しく減少 (正常値の26%) し, 4週後, 8週後でも低いレベルであった (正常値の60%と69%) 。骨髄の有核細胞数は照射24時間後には胸腺ほど著しく減少せず (正常値の56%) , 4-6週後までにほぼ正常値となった。骨髄のCFU-S (脾コロニー形成ユニット) 数は照射24時間後に正常値の1.7%に減少し, すぐに対数的に増殖をはじめた。しかしそれは照射6週後に正常値の60%に達したところで停止した。この結果, 分割照射したNFS系マウスの胸腺, 脾臓, 骨髄におけるリンパ形成と造血の異常が長期におよぶこと, またその異常は骨髄のCFU-S数の減少に結びついていることが示唆された。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 43 (1), 19-24, 1994

    公益社団法人 日本実験動物学会

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