飼料のエネルギー含量のマウスの成長, 妊娠, 泌乳に及ぼす影響

  • 鈴木 敏明
    新潟大学大学院自然科学研究科 日本農産工業株式会社中央研究所筑波試験場
  • 清水 正導
    日本農産工業株式会社中央研究所筑波試験場
  • 石橋 晃
    新潟大学大学院自然科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of the Energy Density of Non-purified Diets on Growth, Gestation and Lactation in Mice
  • 飼料のエネルギー含量のマウスの成長,妊娠,泌乳に及ぼす影響〔英文〕
  • シリョウ ノ エネルギー ガンリョウ ノ マウス ノ セイチョウ ニンシン ヒ

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説明

マウス用の固形飼料を考案するため, 飼料のエネルギー含量がC57BL/6Jマウスの成長・妊娠・泌乳等の成績に及ぼす影響を検討した。粗蛋白質が24%と一定でエネルギー含量を4段階に変えた固形飼料を作成し, ラットで栄養価を実測したところ, 窒素補正代謝エネルギー (MEn) は乾物当たり2.86から3.73kcal/gとなり, 可消化粗蛋白質 (DCP) は, 20.5から22.6%であった。マウスは, 飼料のエネルギー含量の低下とともに飼料摂取量を増やし, 必要なMEnを摂取したが, 離乳後1週間と泌乳期には, 飼料摂取量が充分に増加しなかった。このため, 最低MEnの飼料を給与されたマウスは, 最高MEn飼料に比べて, 3週齢離乳時体重は約33%劣り, 3から4週齢の成長速度は13.2から34.4%低下し, 雌マウスの膣開口は9.3日遅延した。しかし, 低エネルギー飼料は, リッターサイズと子マウスの生時体重には影響しなかった。また, DCP摂取量はむしろ低エネルギー飼料の場合に多く, 成長・妊娠・泌乳の各ステージの成績に影響しなかった。以上の結果から, 成長・妊娠・泌乳の各ステージを通じ最良の成績を得るには, 離乳後1週間の成長期と泌乳期にMEnで乾物当たり3.73kcal/g以上の飼料エネルギーが必要であり, 4週齢以後の成長期および妊娠期は, 2.86kcal/gで充分であることが判明した。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 40 (3), 305-314, 1991

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (1)*注記

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