オスミドリザルの体重成長の特性と性成熟

書誌事項

タイトル別名
  • Growth Curves of Body Weight and Their Relationship to Sexual Maturity in Laboratory-bred Male African Green Monkeys (<I>Cercopithecus aethiops</I>)
  • オスミドリザル ノ タイジュウ セイチョウ ノ トクセイ ト セイ セイジュク

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抄録

筑波医学実験用霊長類センターにて繁殖・育成した5頭のオスミドリザルの体重を出生から6歳齢まで継続的に測定した。体重の平均値と標準偏差は, 出生時は360±25gであった。1歳齢は1.55±0.8kg, 2歳齢は2.50±0.12kgで, 2歳3ヵ月齢頃から体重の増加率は以前と比べて減少した。そして, 3歳齢頃から再び急激な体重増加を示した。4歳齢は4.40±0.23kg, 5歳齢は4.54±0.29kg, 6歳齢は4.50±0.12kgと約5歳齢でそれ以後とほぼ同じ値に達した。オスミドリザルの体重を5つの成長モデル式に当てはめた結果, 全測定期間を通してオスミドリザルの体重に適合した式は, Gompertz式とLogistic式であった。決定係数 (R2) の値から, 最もよく適合したモデル式はGompertz式であった。しかし, 成長モデル式より求めた体重推定値と実測値の差は, 対実測値にして最大40%の場合もあった。また, 決定係数の値も比較的小であった (0.919±0.05) 。そこで, 測定値を急激に体重増加を示す2歳10ヵ月齢以前と以降の2群に分割し, それぞれに成長モデル式を適合させた。出生から2歳10ヵ月齢まではGompertz式 (R2=0.982±0.011) が, それ以降はLogistic式が最も良く適合した (R2=0.955±0.038) 。Gompertz式のパラメーターから推定される変曲点の位置は, 仔ザルの離乳時期に対応した。Logistic式における変曲点の時期は, 性成熟の指標である性皮の色調変化や精巣の大きさおよび血中テストステロン濃度の変化と関係が認められた。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 39 (3), 345-352, 1990

    公益社団法人 日本実験動物学会

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