オオネズミクイの下顎腺の微細構造について

書誌事項

タイトル別名
  • Fine Structure of the Mandibular Gland in Crest-tailed Marsupial-rat (<I>Dasyuroides byrnei</I>)
  • オオネズミクイの下顎腺の微細構造について〔英文〕
  • オオネズミクイ ノ カガクセン ノ ビサイ コウゾウ ニ ツイテ エイブン

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抄録

オオネズミクイの下顎腺について, 光学顕微鏡並びに透過・走査電子顕微鏡で観察した。腺胞には, 腺胞細胞の大部分を占める明るい漿粘液細胞と, 半月として見られる暗調な漿粘液細胞の2種の漿粘液細胞がみられた。前者には, 明るく微塩基好性で電子密度の低いないし中程度の基質を持つ二相性の分泌顆粒が, 後者には, 酸好性で電子密度中程度の微細毛状・顆粒状の構造物を有する分泌穎粒が認められた。腺胞と介在部の間に微塩基好性で, 腺胞細胞の顆粒に類似した分泌顆粒を持つ細胞群が見られた。介在部上皮細胞は, 丈の低い立方上皮で, 核上部から頂部にかけて少数の小さな電子密度の高い顆粒を有していた。線条部上皮細胞には, 頂部に多くの小胞が存在したが, 明らかに分泌顆粒と考えられるものはみられなかった。今回観察したオオネズミクイの下顎腺の腺胞は, 有袋類であるオポッサムや他の多くの哺乳動物のものと異なり, 2種の漿粘液細胞から構成されていた。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 39 (1), 55-63, 1990

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (1)*注記

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