アフリカツメガエル (<I>Xenopus laevis</I>) の発生に伴う後肢再生能の推移

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  • 藤倉 恵子
    群馬大学内分泌研究所比較内分泌学部門
  • 井上 栄
    群馬大学内分泌研究所比較内分泌学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Regenerative Capability in Hindlimb of <I>Xenopus laevis</I> during Ontogenetic Development
  • アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の発生に伴う後肢再生能の推移
  • アフリカツメガエル Xenopus laevis ノ ハッセイ ニ トモナウ

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説明

Xenopus laevisの後肢の再生力が, 切断部位と切断時期によってどのように変化していくか調べた。発生stages 50, 51, 52, 53, 54, 55, 58, 60 (Nieuwkoop and Faberの発生段階表による) の各群では肢基部で, stages50, 51, 52, 54の各群では肢芽の中央部位で, stages 58, 60とfrogletの2cm, 3cmの各群ではmid-thighとmid-shank部位で切断を行い, 所定日数経過後各実験群の再生頻度と再生肢のタイプ別の分布を調べた。stage 55以降にbase部位で切断すると再生がみられなかった。他の発生期においてはどの部位の切断でも再生が見られ, 同じstageなら部位が先端になるほど, 同じ部位ならstageが若いほど再生率は高かった。stage 50から54までの切断では, 正常肢と同じ5本の指で3個の爪を持つものの他に, 4本の指で2個の爪を, 3本の指で2個又は1個の爪を, 2本の指で1個の爪を持つものなどdigitated typeの再生肢がみられた。stage 50では完全数の再生肢が多いが, 発生の進行にともなって指と爪の数が減少すると同時に奇形を伴う再生肢の占める割合が次第に多くなった。stages 58, 60とfrogletの2cmと3cmの群では, 軟骨の伸長による, cone, spike又はrod状の異型再生肢が生じた。これらの再生肢にはより若い発生期に見られたような発生期に応じた細かい再生形態の差は殆んどなかった。又これらの再生肢の伸長は1年後も続いたが, 形態はそのままでdigitated typeへの分化は見られなかった。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 34 (4), 445-458, 1985

    公益社団法人 日本実験動物学会

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