ニホンザルの電気射精法の比較

  • 松林 清明
    京都大学霊長類研究所サル類保健飼育管理施設

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of the Two Methods of Electroejaculation in the Japanese Monkey (<I>Macaca fuscata</I>)
  • ニホンザルの電気射精法の比較〔英文〕
  • ニホンザル ノ デンキ シャセイホウ ノ ヒカク エイブン

この論文をさがす

説明

ニホンザルに於ける電気採精法について, 麻酔下で行う直腸刺激法と無麻酔下の陰茎刺激法の二つの方法での電気的刺激条件を検討した。直腸法では, AC60サイクル, 電圧10~15Vの範囲で, 1秒間に3~5回のパルスを与える方法により, 殆んどの例に射精が見られた。陰茎法に於いては, 10~40Vの範囲で, 周波数18~20CPS, 持続時間20mSの直流矩形波を適当な間隔をおいてくり返し流すことで良好な成績を得た。陰茎法では, サルは実験初期にいくらかの馴致期間を要したが, 訓練のあとでは良い反応を示した。この方法で得られた精液は常に一部が自然に液化したが, 直腸法で採取した精液はしばしば凝固したままで液化の見られないことが多かった。陰茎法で得られた精液の液状部分には, 活発に運動する多数の精子が含まれていたが, 直腸法で得られた精液の液状部には殆ど精子が認められなかった。刺激法の詳細と精液の液化過程についても記述する。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 31 (1), 1-6, 1982

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ