異なった環境下で飼育したビーグル犬における腸骨骨梁骨の骨形態計測値の比較

  • 福田 俊
    放射線医学総合研究所内部被ばく研究部
  • 飯田 治三
    放射線医学総合研究所内部被ばく研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of Histomorphometric Values in Iliac Trabecular Bone of Beagle Dogs Raised under Different Breeding Systems
  • 異なった環境下で飼育したビーグル犬における腸骨骨梁骨の骨形態計測値の比較〔英文〕
  • コトナッタ カンキョウカ デ シイクシタ ビーグルケン ニ オケル チョウコツ

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説明

実験用生産施設で育成したビーグル犬の骨代謝の個体差を明確にする目的で, 骨代謝に影響を及ぼす運動, 日光浴, ミネラル含有量などが異なった2つの飼育環境下で育成したビーグル犬の腸骨骨梁骨の形態計測値および骨に関連した血清成分値について検索した。動物は離乳後から14ヵ月齢まで1時間/日, 週6日間屋外で運動および日光浴させ, それ以外は人工太陽灯のない室内の個別ケージで育成した10例 (第1群) と, 人工太陽灯が設置された屋内で離乳時から生後6ヵ月齢までは終日自由運動ができる大型ケージで, 6ヵ月齢から14ヵ月齢までは個別ケージ内で育成した17例 (第2群) を用いた。14ヵ月齢時に, 骨組織学的形態および動態を測定する目的でテトラサイクリンとカルセインを投与して骨2重標識した後, 生検によって得た腸骨の非脱灰骨組織標本を作製した。標本の海綿骨エリアを対象にして画像解析装置を用いて骨形態計測を行った。血清成分は, 総カルシウム, リン, アルカリフォスファターゼ活性値, 副甲状腺ホルモン, カルチトニンについて測定した。骨形態計測の結果では, 雌の類骨量 (p<0.05) , 全骨梁表面に対する類骨面比 (p<0.01) 以外の測定項目には両群間の差は認められなかった。血清成分の測定結果では, 雄のアルカリフォスファターゼ活性値 (p<0.001) 以外の測定項目には両群間の差はみられなかった。以上の結果から, 飼育環境や条件が異なっても正常な管理下で育成されたビーグル犬の骨代謝には, 個体差はほとんどないことが認められた。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 41 (2), 131-137, 1992

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (3)*注記

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