実験動物としてのナキウサギ (<I>Ochotona rufescens rufescens</I>) の室内飼育および繁殖

書誌事項

タイトル別名
  • Breeding and Rearing of the Pika (<I>Ochotona rufescens rufescens</I>) as a New Laboratory Animal Species
  • 実験動物としてのナキウサギ(Ochotona rufescens rufescens)の室内飼育および繁殖
  • ジッケン ドウブツ トシテノ ナキウサギ Ochotona rufescens

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説明

1974年にDr. Puget (Laboratoire de Pharmacologie et Toxicologie Fondamentales, France) より入手したナキウサギ (Ochotona rufescens rufescens) のメス3匹, オス3匹を基にして, 室内における飼育繁殖を試みた。ナキウサギは温度22±2℃, 湿度55±5%, 16時間照明で暗時の8時間は2燭光の豆電球を点灯した飼育室内で, アルミ製金網床ケージに収容し, ナキウサギ用に作製した固型飼料を与えて飼育ならびに繁殖を行なった。なお, 分娩および哺育に際してはカンナクズを入れた哺育箱を使用した。交配は生後2.5ケ月令以上のメスと3ケ月令以上のオスとを同居させ, 交尾確認後そのまま一夜同居を続けた後, 両者を別居させた。なお妊娠の判定は交配時体重を基準に以後の体重増加量の多少で行なった。<BR>その結果, ナキウサギの妊娠期間は26.5±0.8日, 妊娠率は75.6%, 産仔数は4.0±2.1匹, 離乳率は59.2%, 出生仔の体重はメス・オスあわせて9.2±1.4g, 3週令でメス87.1±13.8g, オス85.3±14.1g, ほぼ成体となった15週令でメス206.4±34.6g, オス219.3±46.5gであった。この動物の大きさはラットよりやや小さく, 性質は温順であるので取り扱いやすく, さらに動物の計画生産が可能となったことから, 新らしい実験動物になり得るものと考えられる。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 29 (2), 165-170, 1980

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (1)*注記

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