Studies on Coprophagy in Experimental Animals

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Other Title
  • 実験動物の食糞行動に関する研究
  • 実験動物の食糞行動に関する研究〔英文〕
  • ジッケン ドウブツ ノ ショクフン コウドウ ニ カンスル ケンキュウ エイブ

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食糞の今日的栄養意義や行動発現に関わる因子そして食糞と腸内細菌叢との関わりについて主に述べた。身近な実験動物では, ウサギ, モルモット, チンチラの食糞は旺盛で, ハタネズミでは極めて少なく, ラット, マウス, ハムスターは中間型であった。マウスについて詳しく調べた結果, 雑食動物の中でも比較的草食に近いマウスは, 植物の実や種子には含まれないビタミンB12を細胞分裂・増殖因子として消化管内微生物から得ることを主たる目的として食糞を行っていると考えられた。食糞行動は, 飼料中のビタミンB12含量, マウスの栄養要求量の差異等によって影響を受け, 栄養要求の高いステージではその頻度や食糞量は多くなった。しかし, 食糞を防止しても, 完全栄養型飼料の給与下では防止ストレスによる影響以外には特別悪影響が認められないことから, 食糞本来の生理的意義は今日, ほぼ失われていることが明らかとなった。さらに, 食糞の防止は数種の腸内細菌数の減少をもたらしたことから, 食糞によって腸内細菌叢が維持されている可能性がある。一方, 食糞は完全栄養型飼料給与下でも発現し, 無菌マウスおよび開眼・開耳前に早期強制離乳したマウスにおいても認められることから, 後天的に学習し獲得されるものではなく, 生得的行動であることが判明した。詳細な観察の結果, 食糞は糞の排泄に伴って反射的に発現し, その際嗅覚の関与は無いことが明らかとなった。

Journal

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 42 (1), 1-9, 1993

    Japanese Association for Laboratory Animal Science

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