保健師選択制導入前後における学生の技術到達度と実習体験に関する評価

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  • Evaluation of skill achievement levels and practical experiences of public health nursing students before and after the introduction of the public health nursing course as an elective
  • ホケンシ センタクセイ ドウニュウ ゼンゴ ニ オケル ガクセイ ノ ギジュツ トウタツド ト ジッシュウ タイケン ニ カンスル ヒョウカ

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抄録

目的 より質の高い保健師養成を目指し,保健師教育は保健師・看護師の統合カリキュラムから学部での選択制や大学院教育への変革期を迎えている。東京都特別区の多くの大学では全国に先駆けて2014年度から選択制を開始し,その成果を適切に評価する必要がある。そこで本研究の目的を,東京都特別区内 7 大学の学生を対象に,選択制導入前後における保健師教育の技術到達度と実習の体験を評価することとした。<br/>方法 選択制前年度の2013年度と選択制初年度の2014年度に,地域看護学実習を行った特別区内 7 大学の 4 年生を対象に,無記名自記式質問紙調査を実施した。対象者数は,2013年度は663人,2014年度は各校20人以内の選択制となり136人であった。学生が,厚生労働省の示した「保健師教育の技術項目と卒業時の到達度」の98項目を到達できたかどうかと,特別区が作成した学生実習のめやすをもとにした15項目を体験したかどうかを評価した。<br/>結果 2013年度の回収数348件(回収率52.5%),有効回答数310件,2014年度対象学生数136人,回収数120人(回収率88.2%),有効回答数114人であった。学生が小項目の到達度レベルを「到達できている」と回答した割合(到達割合)の98項目平均は,2013年度の67.9%から2014年度72.6%へ上昇した。さらに,学生が各項目を体験できたと回答した割合(体験割合)の15項目平均も70.5%から85.7%へ上昇した。しかし,到達割合が 8 割以上の項目は2014年度でも31項目(31.6%)に留まっていた。<br/>結論 到達割合・体験割合の増加には,特別区では選択制へ移行し,講義・実習を充実させたことや,意欲的な学生が多いことが関連していると考えられる。しかし,学生が到達できていない項目も多く,技術項目の到達には時間的な限界もあると考えられる。

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