食事バランスガイドの認知レベルの経時変化と人口統計学的特徴および健康特性との関連

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  • Change of awareness level of the Japanese Food Guide Spinning Top and relation with sociodemographic and health-related characteristics
  • ショクジ バランスガイド ノ ニンチ レベル ノ ケイジ ヘンカ ト ジンコウ トウケイガクテキ トクチョウ オヨビ ケンコウ トクセイ ト ノ カンレン

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抄録

目的 本研究は,食事バランスガイドを認知していない者の人口統計学的特徴および健康特性を明らかとすることを目的とした。<br/>方法 社会調査会社の登録モニター1,012人(40.2±SD10.0歳)を対象とした。2007年11月(T1),2008年12月(T2)の計 2 回,インターネットを用いた質問調査を縦断的に実施した。調査項目は,食事バランスガイドの認知レベル(内容を知っている,聞いたことがある,聞いたことがない),人口統計学的要因(年齢,結婚の有無,教育歴,職業の有無,世帯収入,独り暮らしの有無),健康特性要因(肥満,内臓脂肪蓄積,不十分な身体活動)であった。T1 における食事バランスガイドの認知レベルと,人口統計学的要因および健康特性要因との関連については,食事バランスガイドの認知(内容を知っている,聞いたことがある)を従属変数,両要因を独立変数とした多項ロジスティック回帰分析にて検討した。食事バランスガイドの認知レベルの経時変化(T1–T2)と各要因との関連性については,χ2 検定を行った。解析は男女別に行った。<br/>結果 変数間の影響を調整した結果,男性では,世帯収入500~1,000万円未満であること(OR=1.78, 95%CI=1.10–2.88)が「聞いたことがある」に正の影響を示した。女性では,未婚であることが「内容を知っている」(OR=0.35, 95%CI=0.17–0.70)および「聞いたことがある」(OR=0.50, 95%CI=0.27–0.92)に負の影響を示した。T1からT2にかけて,男性の認知レベルは向上していた。「聞いたことがない」(T1)という認知レベルの経時変化と最終学歴(P=0.023)との間に有意な関連性が認められた。女性では,認知レベルに有意な経時変化は認められなかった。「聞いたことがある」(T1)という認知レベルの経時変化と世帯収入が関連していた(P<0.001)。男女ともに認知レベルの経時変化と健康特性との間には有意な関連は認められなかった。<br/>結論 肥満や身体活動の不足といった健康へのリスク要因を有している集団において,食事バランスガイドの認知は進んでいた。今後の食事バランスガイドの普及ターゲットとして,低学歴の男性,未婚の女性,高所得の女性が示された。

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