国民健康・栄養調査の歩数データの特性

  • 松下 宗洋
    独立行政法人国立健康・栄養研究所健康増進研究部 早稲田大学大学院スポーツ科学研究科
  • 澤田 亨
    独立行政法人国立健康・栄養研究所健康増進研究部
  • 中潟 崇
    独立行政法人国立健康・栄養研究所健康増進研究部 順天堂大学スポーツ健康科学部
  • 西 信雄
    独立行政法人国立健康・栄養研究所国際産学連携センター
  • 奥田 奈賀子
    独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養疫学研究部
  • 宮地 元彦
    独立行政法人国立健康・栄養研究所健康増進研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of the number of steps in the National Health and Nutrition Survey
  • コクミン ケンコウ ・ エイヨウ チョウサ ノ ホスウ データ ノ トクセイ

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説明

目的 国民健康・栄養調査における歩数の平均値は,健康日本21における身体活動・運動分野の評価に用いられるとともに,国民の身体活動や運動に関する代表的なデータとして利用されている。本研究は,国民健康・栄養調査における歩数のデータの特性を明らかにすることを目的とした。<br/>方法 2008年から2010年の計 3 年分の国民健康・栄養調査のデータのうち,1 日の歩数および歩数計装着状況のデータがある21,914人を対象として分析を行った。栄養摂取状況調査票の身体状況調査項目における歩数計の装着状況として終日歩数計を装着したと回答した群を「終日装着群」とし,「非終日装着群」との平均値,中央値,外れ値,度数分布の比較を行った。<br/>結果 2008年,2009年,2010年における「非終日装着群」の割合は,すべての測定年において全体の約 8%であった。各年の平均歩数は,「終日装着群」が「非終日装着群」より1,076から1,472歩高い値を示していた。また,両群ともに外れ値が存在し,度数分布については両群とも歩数の多い方に裾を引いていることが確認された。それに伴い,平均値は中央値よりも約600歩多い値を示していた。<br/>結論 国民健康・栄養調査の歩数のデータには歩数計を終日装着していない約 8%の者が含まれ,データが正規分布を示さないことから,国民の身体活動や運動に関する代表値として利用する際にはデータの特性を考慮する必要があると考えられる。

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