自治体と大学が共同で取り組んだ減量教室事業の成果 Sodegaura Weight Management Study

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of a community-based weight loss program, jointly established by local government and university faculty, on weight loss and metabolic syndrome components: The Sodegaura Weight Management Study
  • ジチタイ ト ダイガク ガ キョウドウ デ トリクンダ ゲンリョウ キョウシツ ジギョウ ノ セイカ Sodegaura Weight Management Study

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抄録

目的 メタボリックシンドローム(metabolic syndrome: MS)に着目した特定健康診査と,その結果にもとづく特定保健指導が義務付けられる制度が導入され,全国各地の自治体には効果的な減量支援策が益々求められるようになった。本研究では,袖ケ浦市が筑波大学の研究成果に基づいて開発した減量プログラム(Sodegaura SMART Diet: SSD)が,参加者の体重や MS 構成因子に及ぼす影響,また,2 年後の体重管理に及ぼす影響について検討した。<br/>方法 2004~2008年に袖ケ浦市が開催した女性対象の減量教室に,192人(40~64歳,教室前の BMI が25 kg/m2 以上もしくは腹囲が90 cm 以上)が参加し,184人(95.8%)が14週間の SSD を修了した。修了者の体重および MS に関連する各項目の教室前後の平均値を比較した。また,2008年の教室参加者32人を介入群,同じく2008年に同市で開催された MS 測定イベントに参加し,14週間後の再測定にも参加した16人の女性(教室参加者と同じ参加規準)を対照群とし,体重および MS に関連する各項目の数値変化の比較をおこなった。さらに,2 年後測定に参加した2004~2006年の教室参加者(122人中96人,参加率78.7%)の体重や腹囲の教室前および教室直後の値と 2 年後の値とを比較した。<br/>結果 教室修了者184人の体重(66.9±8.2 kg→59.4±7.5 kg), BMI (27.7±2.7 kg/m2→24.6±2.6 kg/m2),腹囲(95.2±7.4 cm→87.8±7.6 cm),MS 構成因子保有数(2.1±1.1個→1.1±1.0個)は有意に減少した。教室前の MS 該当者は184人中61人(33.2%),MS 予備軍該当者は51人(27.7%)であったが,教室後はそれぞれ11人(6.0%),28人(15.2%)に減少した。介入群と対照群の比較では,体重,BMI,体脂肪率,腹囲,中性脂肪,血糖,MS 構成因子保有数の各変化量に群間差がみとめられた。2 年後測定参加者の体重と腹囲は,教室直後からはそれぞれ2.0±3.1 kg, 1.7±4.3 cm 有意に増加したものの,教室前と比較すると,それぞれ−6.2±3.7 kg, −5.9±5.0 cm 有意に減少していた。<br/>結論 SSD が減量教室参加者の体重管理および MS 改善に有効である可能性が示された。

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参考文献 (33)*注記

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