地域住民と行政の協働による「せたがや元気体操リーダー」の養成と活動支援システムの構築にむけての取り組み

書誌事項

タイトル別名
  • Construction of a system for exercise leader training (“Setagaya Genki Taisou Leader”) and activity support for community-dwelling elderly
  • チイキ ジュウミン ト ギョウセイ ノ キョウドウ ニ ヨル セタガヤ ゲンキ タイソウ リーダー ノ ヨウセイ ト カツドウ シエン システム ノ コウチク ニ ムケテ ノ トリクミ

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説明

目的 地域住民と行政が協働して,地域で活躍できる高齢者への体操ボランティアリーダーの養成と活動支援システムの構築に着手した。その取り組みの経緯と内容を紹介するとともに,その過程で明らかとなった課題を整理した。<br/>方法 ①東京都世田谷区において,保健センター,区民が設立した NPO 法人,保健所および大学が協働して,体操ボランティアリーダーを養成し,「せたがや元気体操リーダー」と名づけた。②養成講座のプログラムは,講義と実技実習をあわせて,1 日 3 時間,計 6 日間と 3 日間の現場実習とした。講座は,平成17年~19年に計 3 回開催した。③あわせて,講座終了後,リーダーが有償ボランティアとして地域で活躍できる活動支援の仕組みをつくった。④派遣業務は NPO が行い,グループからの派遣依頼,派遣調整,活動報告(事後評価)までの事務フローチャートおよび帳票類を作成した。⑤また,指導中の事故対応のため,緊急事故対策マニュアルを整備するとともに,全員がボランティア保険に加入した。⑥リーダー派遣を開始した後 2 年間に生じた課題や問題点について筆者らが整理した。⑦リーダー派遣を利用した83グループに対して,リーダーの指導内容や派遣に関するアンケート調査を実施した(回収率100%)。<br/>結果 ① 3 年間で合計64人(男性10人,女性54人,平均年齢57.5±9.4歳)のリーダーが認定された。②派遣回数は,平成18年上期290回,下期417回,平成19年上期510回と増加傾向にある。③リーダー派遣を開始した後に生じた課題や問題点は,リーダー側からは,事前に高齢者グループの指導に対する要望が把握できなかった,派遣後のグループからの満足度を評価できていなかった,などであった。一方,グループ側からは,区から派遣される運動指導員とのレベルの差が大きい,体力のある若い層にも満足できるような運動支援をして欲しい,などであった。④派遣先グループのリーダーに対する総合評価では,「良い」が 8 割を占めた。指導内容については,説明力や実技など技術面では「大変良い」が 4 割程度であったが,対応の仕方や態度・印象は 7 割が高い評価をした。<br/>結論 地域住民と行政との協働によるリーダーの養成と活動支援システムの構築は,区民のエンパワメントや住民参画,地域協働といったヘルスプロモーションモデルであると同時に,公共サービスの新たな展開として活用できる可能性がある。

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