一般地域住民にみるゲノム疫学研究への参加・不参加行動選択の理由

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タイトル別名
  • Why do people consent to participate in genetic epidemiological studies?
  • イッパン チイキ ジュウミン ニ ミル ゲノムエキガク ケンキュウ エ ノ サンカ フサンカ コウドウ センタク ノ リユウ

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抄録

目的 ゲノム疫学研究への参加協力依頼に対して,一般地域住民が研究への参加又は不参加を決める理由を明らかにすることを目的とした。<br/>方法 本研究は,滋賀県高島町およびマキノ町(現高島市)で住民基本健診に併せて実施された,ゲノム疫学研究(高島研究)2003年度ベースライン調査(対象者2,195人)における参加・不参加の意思確認の場を用いて実施した。匿名自記式調査票(複数選択式)を用いて,高島研究の「基本調査」ならびに「ゲノム解析」への参加・不参加を決めるに至った理由について調査を行った。回答の得られた2,171人の結果について分析した。<br/>結果 参加または不参加を決めた理由について,「基本調査」と「ゲノム解析」との間で差異はほとんどみられなかった。参加に同意した最大の理由は,参加に伴う自己利益的な期待観であり,次に,研究の社会的価値に対する共感・理解であった。また,医師や医療機関全般に対する基本的な信頼感も重要な参加要因であった。また,不参加の最大の理由は,時間や暇のなさ,および,調査協力の面倒さであった。一方,個人情報やプライバシーの侵害についての懸念や不安を理由とする不参加は 1 割程度であった。<br/>結論 本研究から,一般地域住民がゲノム疫学研究への参加・不参加を決めるに至った理由が明らかとなった。本研究の結果は,研究参加者のリクルート戦略を今後立てる上で重要な知見を与えるものである。

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参考文献 (32)*注記

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