現任保健師が認識している公衆衛生における現状変化とその改善策に関する質的研究

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タイトル別名
  • A qualitative study on perceived changes and improvement in the current state of public health activities of public health nurses in Hokkaido, Japan
  • ゲンニン ホケンシ ガ ニンシキ シテ イル コウシュウ エイセイ ニ オケル ゲンジョウ ヘンカ ト ソノ カイゼンサク ニ カンスル シツテキ ケンキュウ

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抄録

目的 我が国の地域の公衆衛生活動において,現任保健師が認識している近年の現状変化を把握し,地域をみる•考える視点からその変化に対する改善策に関する保健師の意見を聴取した。<br/>方法 北海道の道立保健所または市町村在勤 5 年以上の保健師を対象にフォーカスグループ•ディスカッション(FGD)を実施し,結果を Berelson の内容分析法により解析した。<br/>結果 3 回の FGD に参加した保健師24人が認識している現状変化とその改善策は 5 つのカテゴリーに分類された。まず,保健師養成課程の変化と現任教育における問題が指摘され,新人保健師や現任保健師の地域をみる•考える視点強化のための卒後教育体制の改善が提言された。次に,制度変化に伴う保健師業務の変化が挙げられ,業務の拡大,事務職との共同,分散配置による負担増が指摘された一方,事務職や地域関係者の連携を強化すべきとの改善策が出された。また,保健師の心理的変化に関する発言も多く出され,役割,モチベーション,地域活動の変化に伴う悩みが表明された。その対処策として,専門職としての意識改革と能力向上,保健師同士のコミュニケーションの確保が挙げられた。さらに,コミュニティの変化と,市町村•保健所の組織変化が指摘され,対処方策として,現場活動の重視,保健師研修会•会議の活性化と有効活用が提案された。<br/>結論 保健師のおかれた現状変化に対処するには,現任教育の在り方の再考,保健師の役割とモチベーションの再確認,日々の業務における悩みの共有化,事務職や他機関との連携強化,保健活動活性化のための住民との対話,保健所と市町村の関係の再構築が必要と考えられた。

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参考文献 (33)*注記

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