20歳代および30歳代女性のライフイベントと生活習慣 結婚,妊娠,出産,育児の影響

書誌事項

タイトル別名
  • Life events and lifestyle of women in their twenties and thirties Influence of marriage, pregnancy, giving birth, and child-care
  • 20サイダイ オヨビ 30サイダイ ジョセイ ノ ライフ イベント ト セイカツ シュウカン ケッコン ニンシン シュッサン イクジ ノ エイキョウ

この論文をさがす

説明

目的 20, 30代女性の結婚,妊娠,出産,育児などのライフイベントに注目し,これらのライフイベントが生活習慣に及ぼす影響について検討した。<br/>方法 青森県 A 市在住で,現在育児中の20, 30代の女性を対象とした。対象者には,出生届後,または乳幼児健診受診後に無記名の自記式質問紙を配布し,郵送法により回収した(有効回答数200人,有効回答率37.7%)。Breslow らおよび森本らの健康習慣を参考に,12項目の生活習慣を設定し,その合計得点を生活習慣得点として,年代別およびライフイベント前後の生活習慣の変化について比較した。<br/>結果 対象者の平均年齢(SD)は31.1(4.2)歳であった。現在の生活習慣では運動,健診受診の項目で望ましくない生活習慣を実施している者が半数を超えた。また,朝食摂取,健診受診の項目で20代より30代で望ましい生活習慣をしている者の割合が有意に高かった(朝食摂取:P<0.05,健診受診:P<0.01)。<br/> ライフイベントと生活習慣の関係では,生活習慣得点は結婚後,妊娠後に有意に高く(結婚後:P<0.05,妊娠後:P<0.01),出産後に有意に低かった(P<0.01)。結婚,妊娠後に望ましい生活習慣に変化した項目は,生活の規則性,食事に関する項目であった。とくに妊娠後は飲酒,喫煙の項目で望ましい生活習慣に変化した者の割合が有意に高かった(P<0.01)。一方で,出産後はすべての項目で望ましくない生活習慣をしている者の割合が上昇し,食事に関する項目や飲酒,喫煙,健診受診において有意に低下していた(P<0.01)。また,結婚後,妊娠後に離職する者の割合が有意に多いことが示された(P<0.01)。<br/>結論 20, 30代女性では結婚,妊娠,出産,育児等のライフイベントは生活習慣に大きく影響し,ライフイベントを経験しながら望ましい生活習慣を維持し続けることは難しいことが示唆された。望ましい生活習慣が維持できるような支援形態や,現状の母子保健事業等を有効活用した施策の検討の必要性が示された。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (21)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ