郵便番号を使って評価された自宅近隣施設環境と活動量計により評価された身体活動量の横断的関連:佐久コホートスタディ

書誌事項

タイトル別名
  • Cross-sectional association of the number of neighborhood facilities assessed using postal code with objectively measured physical activity: the Saku cohort study
  • ユウビン バンゴウ オ ツカッテ ヒョウカ サレタ ジタク キンリン シセツ カンキョウ ト カツドウリョウケイ ニ ヨリ ヒョウカ サレタ シンタイ カツドウリョウ ノ オウダンテキ カンレン : サク コホートスタディ

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抄録

目的 本研究は,地方都市在住の成人および高齢者を対象に郵便番号によって評価された客観的な自宅近隣施設環境と加速度センサー付活動量計によって客観的に評価された身体活動量との関係を横断的に検討することを目的とした。<br/>方法 本研究は,佐久健康長寿プロジェクトの中間解析であり,佐久市に居住しデータの欠損がない30~84歳の男女1,274人(男性721人,女性553人)を対象とした。身体活動量に関連する自宅近隣施設環境については,駅,スーパーマーケット・コンビニエンスストア,郵便局・銀行,病院・診療所,役所・公民館,文化施設・児童館,公園,公共・民間スポーツ施設について,佐久市役所の公式ホームページおよび NTT が発行しているタウンページのインターネット版 i タウンページから,住所と郵便番号を抽出し,郵便番号別に整理した。対象者の身体活動量は,3 次元加速度センサー付活動量計を用いて測定し,1 日の平均歩数と 1 週間の中強度以上(3 メッツ以上)の活動量について算出した。そして,施設環境を対象者の自宅住所の郵便番号と関連づけ,身体活動量との関係を検討した。分析は,65歳未満と65歳以上の年齢グループ別に,健康日本21(第二次)で設定されている目標歩数と中強度以上の活動量23メッツ・時/週の 2 つの身体活動量の目標値をそれぞれ従属変数,自宅近隣施設環境を独立変数,満年齢,性別,Body Mass Index を調整変数とした多重ロジスティック回帰分析を実施した。<br/>結果 身体活動量と自宅近隣施設環境の関連は,65歳未満で,週に23メッツ・時の中強度以上の活動量を満たしていることとスーパーマーケット・コンビニエンスストアの数が多いことが統計学的に有意な関連を示した。65歳以上では,健康日本21(第二次)の目標歩数を満たしていることと郵便局・銀行の数が,中強度以上の活動量の目標値(23メッツ・時/週)を満たしていることとスーパーマーケット・コンビニエンスストアの数が統計学的に有意な正の関連を示した。<br/>結論 本研究の結果から,買い物や生活に必要な自宅近隣の施設の充実は,身体活動量の多いことと関連することが示唆された。

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