妊娠前 BMI 区分やせの妊婦の栄養状態・食物摂取状況の特徴

書誌事項

タイトル別名
  • Nutritional status and dietary intake among pregnant women in relation to pre-pregnancy body mass index in Japan
  • ニンシン ゼン BMI クブンヤセ ノ ニンプ ノ エイヨウ ジョウタイ ・ ショクモツ セッシュ ジョウキョウ ノ トクチョウ

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説明

<p>目的 妊娠前 BMI 区分やせの妊婦の妊娠中期の栄養状態,食物摂取状況が,他区分と比較し違いがあるかを確認すること。</p><p>方法 2015年 1 月~3 月,群馬県 T 市 S 病院において妊婦健診,母親学級に訪れた妊婦(妊娠14週~20週)に対して研究参加を呼びかけ,書面にて同意が得られた141人に対して調査を実施した。妊娠20週の妊婦健診の際に不連続 2 日間の食事記録(目安量法),質問紙による食生活に関する調査を実施し,カルテより現病歴,身長,妊娠前体重,採血データを得た。そのうち,悪阻がひどい者 9 人を除いた132人を妊娠前 BMI 区分(やせ28人,標準93人,肥満11人)ごとに栄養素等摂取量,食品群別摂取量および料理摂取量の分析を行った。統計解析は χ2 検定,Fisher の正確確率検定,Kruskal-Wallis 検定,一元配置分散分析を用い,さらに,年齢,総エネルギー摂取量,就業状況等で調整し共分散分析を行った。</p><p>結果 妊娠前 BMI 区分やせの妊婦には,就業者が多く,ヘモグロビン,ヘマトクリット値が有意に低く貧血のリスクのある者が多くみられた。栄養素等摂取状況は,やせにおいて,たんぱく質,鉄,マグネシウム,葉酸が BMI 他区分と比較し有意に少なかった。食品群別摂取状況においては,肉,魚,卵,大豆製品などでやせにおいて少ない傾向がみられたが,有意差はみられなかった。一方で料理摂取状況では,やせにおいて主菜が有意に少なかった。(P=0.002,やせ4.7SV,標準6.1SV,肥満6.1SV)。</p><p>結論 妊娠前 BMI 区分やせの妊婦の課題として,貧血と関連する血液検査項目の数値が低く,さらに栄養素等摂取状況ではたんぱく質,鉄,葉酸など造血に関与する栄養素が他区分に比べて少ないこと,料理摂取状況では主菜が少ないことが示された。これらは低出生体重児のリスク要因または関連要因であり,妊娠前やせの妊婦に対し,適切な体重増加と食物摂取,特にたんぱく質や鉄の供給減となる主菜の摂取を支援することが重要であると示唆された。</p>

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