腎盂尿管腫瘍に対する腹腔鏡手術と開腹手術についての臨床的検討

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  • ジンウニョウカン シュヨウ ニ タイスル フククウキョウ シュジュツ ト カイフク シュジュツ ニ ツイテ ノ リンショウテキ ケントウ

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抄録

近年上部尿路腫瘍に対する腹腔鏡下腎尿管全摘は標準術式となっており,当院では2000年より導入している.2000年から2010年までに当院で施行した腎尿管全摘出術,腹腔鏡手術(LNU)70例,開腹手術(ONU)25例を対象とし,周術期パラメータおよび手術侵襲を定量化するEPASS scoring systemを用い比較検討した.年齢の中央値はLNU群71歳,ONU群66歳(p=0.0355),出血量の中央値は147.5ml,240ml(p=0.0125),手術時間の中央値は351分,280分(有意差なし),CRPの中央値は5.5,8.5(p=0.0002),経口摂取開始日は1日,2日(p=0.0253)であった.またE-PASSでは腹腔鏡手術の方が開腹手術と比較し有意に低いscoreを示した.全症例の5年生存率は69.6%で,LNU群は76.3%,ONU群は50.9%(p=0.0118)で,pT4症例を除くと同等であった.腹腔鏡下腎尿管全摘は開腹手術と比較し,手術侵襲が低く,術後回復も早く,予後も遜色なく確立した術式であると考えられた.

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