当院へ救急搬送された意識消失982例の検討

  • 山口 陽子
    東日本旅客鉄道株式会社JR東京総合病院・救急部門
  • 田中 博之
    東日本旅客鉄道株式会社JR東京総合病院・救急部門 東京医科大学救急・災害医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A study of 982 cases with transient loss of consciousness transported to JR Tokyo General Hospital by ambulance
  • トウ イン エ キュウキュウ ハンソウ サレタ イシキ ショウシツ 982レイ ノ ケントウ

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抄録

目的:救急車で搬送される意識消失症例の実態について調査した。方法:対象は当院へ救急車で搬送され,意識消失をきたしたと記載のあった982例とした。結果:982例の年齢は48±23歳(平均±標準偏差),中央値44歳であった。失神は666例(67.8%)で,血管迷走神経性失神を含む反射性失神が386例,体位性低血圧が134例,心原性失神が21例であった。失神と鑑別すべき病態は316例で,このうち,てんかんが179例であった。結論:意識消失・失神をきたした症例には,時に重篤な病態も含まれていた。したがって,病歴や身体的所見から,その中に潜む重篤な病態を疑い,原因究明に努めるべきと考えた。また,意識消失の原因の多くを占める血管迷走神経性失神も適切に診断するためにhead-up tilt testをより積極的に実施すべきであると考えた。

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