生活習慣に及ぼすタイプA特性の影響
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- 山崎 勝之
- 鳴門教育大学学校教育学部人間形成基礎講座
書誌事項
- タイトル別名
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- The Influence of Type A Characteristics on Living Habits
抄録
本研究では、女子大学生を対象にしてタイプA特性と睡眠を中心とした生活習慣の関係を調べた。研究1では、女子大学生342名を対象に、タイプAの検査としてKG式日常生活質問紙を、生活習慣の調査として東京都神経科学総合研究所式生活習慣調査を実施した。その結果、タイプA群 (タイプA得点の中央値より上) がタイプB群 (中央値より下) よりも次の特徴の度合いが高いことが明らかになった。すなわち、夜型傾向、就寝時刻の変動性、覚醒時の気分の悪さ、夢見頻度、悪夢見頻度、朝食と夕食を抜く頻度、夜食摂取頻度、飲酒頻度、徹夜頻度である。これらの結果は、いずれもタイプA者の生活習慣の不健康さを示唆していた。<br>研究2においては、このタイプA者の生活習慣の特徴がどれほど状況に依存するものなのかを、平常日と長期休暇日 (夏休暇) を比較する方法で検討した。対象者は女子大学生247名で、検査は研究1と同じであるが、生活習慣は研究1の調査紙から精選された項目による簡易版を用いた。調査は夏休暇前に平常日の生活についてタイプA検査と習慣調査を行い、夏休暇直後に夏休暇中の習慣について同じ習慣調査を実施した。その結果、研究1で得られた結果に加えて、次の特徴の度合いがタイプA群の方でタイプB群よりも高くなった。すなわち、就寝時刻、起床時刻の変化、睡眠時間、睡眠時間の変化、睡眠時間の充足度、不眠の悩み、昼食を抜く頻度であり、これらの差異は調査時期との交互作用なく認められた。そして、群と調査時期の交互作用は、寝つき時間、飲酒頻度、さらには夜食摂取頻度において確認され、いずれもタイプA者は平常日、休暇日にかかわりなくこれらの項目について不健康で乱れた習慣特徴を示すのに対して、タイプB者は平常日には健康的な習慣特徴をもつのに、休暇日に至ってその習慣が乱れる状況が認められた。この結果は、タイプA者は状況に依存せず、常に生活習慣を不健康な状態に保つが、タイプB者は状況に応じて巧みに生活習慣を変化させていることを示唆している。<br>この2つの研究から、わが国におけるタイプA者の生活習慣の不健康さが睡眠習慣にとどまらず飲食面にまで波及していることが明らかになった。また、タイプA者の習慣の乱れが休暇日にもそのまま保たれていることから、この持続的な習慣の乱れがタイプA特性から心身の疾患に至る過程の媒介要因の一つになっていることが強く示唆される。
収録刊行物
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- 行動医学研究
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行動医学研究 3 (1), 28-35, 1996
日本行動医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205509304448
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- NII論文ID
- 130005003491
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- ISSN
- 21880085
- 13416790
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可