見捨てられ場面における見捨てられスキーマと思考・感情・行動との関連

  • 井合 真海子
    早稲田大学人間科学学術院 早稲田大学人間科学学術院
  • 根建 金男
    早稲田大学人間科学学術院 早稲田大学人間科学学術院

書誌事項

タイトル別名
  • The Relationships among the Abandonment Schemas, Cognitions, Emotions, and Behaviors in Abandonment Situations
  • ミステラレ バメン ニ オケル ミステラレ スキーマ ト シコウ ・ カンジョウ ・ コウドウ ト ノ カンレン

この論文をさがす

抄録

本研究では、認知行動カウンセリングの視点から、境界性パーソナリティ障害(borderline personality disorder:BPD)周辺群を対象として、BPD周辺群が実際の見捨てられ場面において示す、見捨てられスキーマの働きと思考・感情・行動との関連を調べることを目的として、研究1では質問紙による量的研究を行い、研究2では実験的手法による量的・質的研究を行った。研究1では、大学生352名を対象に質問紙調査を行った。その結果、見捨てられ経験を持つ者は、見捨てられ経験を持たない者と比べて、有意に見捨てられスキーマ得点およびBPD傾向得点が高いことが示された。さらに、見捨てられ場面における対人スキルの欠如や、肯定的解釈の不足などが、見捨てられスキーマの維持・強化につながる可能性が示唆された。研究2では、大学生のBPD周辺群9名を対象として、実際に経験した見捨てられ場面を想起するイメージ実験を行った。その結果、見捨てられ場面において見捨てられスキーマが賦活しており、快感情の低下やその場面における否定的解釈、相手と距離をとるといった対処行動に影響を与えている可能性が示唆された。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ