PDD(photodynamic diagnosis) の有用性とその解決すべき問題点―偽陽性の分子生物学的検討―

  • 松山 豪泰
    山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野

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  • PDD (photodynamic diagnosis)ノ ユウヨウセイ ト ソノ カイケツ スベキ モンダイテン : ニセ ヨウセイ ノ ブンシ セイブツガクテキ ケントウ

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抄録

  膀胱癌に対するphotodynamic diagnosis(PDD) は,感度は白色光より優れているものの特異度が低く,偽陽性症例が問題となっている.今回筋層非浸潤性膀胱癌からPDD時に採取した60検体(悪性:34検体,良性:26検体) について分子生物学的変異の有無をFISH法で検討した.良性と診断された26検体中11検体に赤色蛍光を認め,同検体は非蛍光検体に比べ有意に9番染色体variant fractionが高く(28% vs 15%,p=0.0225),偽陽性検体にゲノム変異が発生していることが示唆された.つぎに赤色蛍光の原因遺伝子を検討する目的で膀胱癌継代培養細胞株8株を用いてarray-CGHを行った結果,9p24.1領域が共通欠失領域として同定され,同領域上のGLDC遺伝子欠失が赤色蛍光発現に関与している可能性が示唆された.

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