視覚誘発電位と視覚誘発脳磁場

  • 後藤 純信
    国際医療福祉大学福岡リハビリテーション学部
  • 萩原 綱一
    九州大学大学院医学研究院臨床神経生理学
  • 池田 拓郎
    国際医療福祉大学福岡リハビリテーション学部
  • 飛松 省三
    九州大学大学院医学研究院臨床神経生理学

書誌事項

タイトル別名
  • シカク ユウハツ デンイ ト シカク ユウハツ ノウ ジバ

この論文をさがす

説明

視覚誘発電位 (VEP) は, 誘発脳波計で容易に記録でき, 視覚路の情報処理機能をms単位 (高時間分解能) で評価できる。しかし, 異なる伝導率を有する容積導体を通して頭皮上から記録するため, 後頭葉の軽微な機能変化や機能の左右差を検出するには難がある。一方, 視覚誘発脳磁場 (VEF) は, 生体内の透磁率がほぼ等しく磁場のひずみが生じないため, 時間分解能のみならず空間分解能 (mm) にも優れ, 視覚野の一側性機能異常や軽微な左右の機能差などを鋭敏に検出できる。しかし, 微弱な磁場反応であるため磁気ノイズの混入やそれを遮蔽するための環境整備が必要不可欠である。刺激を工夫して視覚路の機能局在や機能障害の有無を検討するためには, VEPとVEFの長所と短所を知ることが必要である。本稿では, 両者を理解する上で必要な電場と磁場の基礎知識や視覚の生理学に基づく基本的記録法と解析法を解説する。さらに, これらの手法を基にした我々の臨床研究成果の一端を紹介する。

収録刊行物

  • 臨床神経生理学

    臨床神経生理学 40 (1), 8-18, 2012

    一般社団法人 日本臨床神経生理学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (24)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ