Fisher症候群の神経生理学的所見

  • 桑原 聡
    千葉大学大学院医学研究院神経内科学

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  • Fisher ショウコウグン ノ シンケイ セイリガクテキ ショケン

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Fisher症候群は外眼筋麻痺, 運動失調, 腱反射消失を三徴とする特異な免疫介在性末梢神経障害である。病変部位は眼運動神経と後根神経節のグループ1aニューロンであり, これらの障害部位はヒトにおけるガングリオシドGQ1bの発現により規定されている。神経生理学的観点からは, 外眼筋麻痺の評価は難しいものの, 運動失調と腱反射消失に関してはヒラメ筋H反射の消失と重心動揺分析における1a入力障害のパターンが認められる。四肢の運動神経伝導検査はF波戦時も含めて正常であるが, 約30%の症例では感覚神経活動電位の振幅低下あるいは体性感覚誘発電位の消失が認められる。Guillain-Barré症候群を合併する場合には運動神経軸索障害 (軸索型) の所見がみられる。本総説ではFisher症候群の病態生理について概説し, これまでに報告されている電気生理学的検査所見について解説した。臨床神経生理学的検査を行う場合には同症候群の診断を支持する所見を知っておくことが望ましいと思われる。

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