随意的な筋弛緩動作に先行する運動関連脳電位の変化

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タイトル別名
  • Changes in movement-related cortical potential preceding voluntary muscle relaxation
  • ズイイテキ ナ キン シカン ドウサ ニ センコウ スル ウンドウ カンレン ノウ デンイ ノ ヘンカ

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抄録

9名の健康な大学生・大学院生 (平均年齢24.2歳, 全員右利き) を対象に, 運動関連脳電位 (movement-related cortical potential: MRCP) を指標に用いて随意的な筋弛緩動作時の脳内準備処理過程を検討した。実験に先立ち, 全被験者の利き手の最大随意収縮 (maximum voluntary contraction: MVC) を求め, 各参加者のMVCの10, 20, 30%を算出した。本研究は随意的な筋弛緩課題として30%MVCのハンドグリップ把持の状態から (1) 完全脱力する課題, (2) 10%MVCに脱力する課題, (3) 20%MVCに脱力する課題の3条件で構成された。筋張力の調節が必要な課題に伴うMRCPは, 完全に脱力する課題と比較してMRCP振幅が増大し潜時が延長する結果が得られた。これらの結果から, 力の調節が必要な課題と完全に脱力する随意的な筋弛緩課題では, 脳内の運動処理過程が異なる可能性が示唆された。本研究で得られたMRCPの変動の背景には, 筋弛緩動作時に筋発揮張力の調節が必要とされる困難性の違いが影響していると考えられる。

収録刊行物

  • 臨床神経生理学

    臨床神経生理学 42 (1), 1-10, 2014

    一般社団法人 日本臨床神経生理学会

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