救急車で当院へ搬送された過換気症候群653例の臨床的検討

  • 山口 陽子
    東日本旅客鉄道株式会社JR東京総合病院 救急部門
  • 田中 博之
    東日本旅客鉄道株式会社JR東京総合病院 救急部門 東京医科大学 救急災害医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A clinical investigation of 653 cases with hyperventilation syndrome (HVS) transported to JR Tokyo General Hospital by ambulance
  • キュウキュウシャ デ トウ イン エ ハンソウ サレタ カカンキ ショウコウグン 653レイ ノ リンショウテキ ケントウ

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抄録

目的:過換気症候群(HVS)と診断された症例を後方視的に検討した。方法:2009年4月からの3年間に当院へ救急車で搬送されたHVS 653例の特徴を検討した。結果:当院へのHVS救急車搬送は,全搬送数に占めるHVSの比率が高く,若年者・女性・昼間発症例が多く,複数回搬送が少なく,精神疾患の既往が多く,鎮静薬の投与比率が低い,などの特徴があげられた。これらの特徴は,当院の立地が大きく影響していると考えられた。結論:HVSは「過換気と呼吸性アルカローシス(RA)に関連する症状」と「症状の急速な改善」だけで診断することが可能と考えられた。ただし,症状の速やかな改善がない場合は必ず,可及的に過換気を生じる器質的疾患を除外する,あるいは血液ガス分析でRAを確認する必要があると考える。

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