職業資格の取得が女性の再就職移行にもたらす効果

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タイトル別名
  • The Effects of Vocational Qualification on Transition to Reemployment among Women
  • ショクギョウ シカク ノ シュトク ガ ジョセイ ノ サイシュウショク イコウ ニ モタラス コウカ

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説明

<p> 女性が各キャリア段階において形成した人的資本は,必ずしも再就職の際に有効に機能しないことが先行研究において示されてきた.しかし,いまだ未検証な人的資本の指標として職業資格があり,人的資本理論やシグナリング理論に基づいて考えると,その独自の効果が期待される.そこで本稿では,再就職移行に際して職業資格とその取得時期が他の人的資本の指標とは異なる独自の効果をもちうるのか検証した.</p><p> データは2005年SSM調査を使用し,そのうち結婚・出産を機に離職した女性の再就職移行に関して,離散時間ハザードモデルを用いて推定を行った.主な結果として,(1)入職以前の人的資本の指標となる最終学歴は効果をもたないこと(2)入職後の人的資本の指標となる職業経験の効果は一貫したものではないこと(3)入職後に職業資格を取得した者は再就職に移行しやすく,そのほとんどが20年以内に再就職していること(4)入職後の職業資格の効果は,他の人的資本の指標となる変数を統制したうえでも独自の効果をもつことが示された.この結果,職業資格には女性の再就職移行において,特定の職業との結びつきを高める可能性や,採用側との情報の非対称性を埋め合わせる効果が期待される.</p>

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