腹腔鏡下腎部分切除術におけるトラブルシューティング

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  • フククウキョウ カジンブブン セツジョジュツ ニ オケル トラブルシューティング

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腹腔鏡下腎部分切除術(LPN)は,小径腎癌に対する標準術式の一つであり,本邦にも広く普及している.2006年6月から2015年10月までに腎悪性腫瘍の診断で,当科でLPNを施行した196例を対象とし術中,術後合併症について検討した.術中合併症は9例(5%)に,術後合併症は8例(4%)に発生した.術中合併症の中で,最も頻度が高かったのは腫瘍への切り込みで,7例(78%)に発生した.全例,切除層を変更し腫瘍遺残する事なく終了した.最も頻度の高かった術後合併症は仮性動脈瘤と尿瘻で,ともに3例発生した.仮性動脈瘤に対しては全例,選択的腎動脈塞栓術を行った.尿瘻の3例中2例は自然治癒したが,1例は後腹膜腔にユリノーマを形成し,尿管ステント挿入とともに後腹膜ドレンを再留置し治癒した.また輸血施行例や開腹移行例はなかった.LPNにおける術中,術後のトラブルシューティングおよびこれらを未然に回避する方法について述べる.

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