小児領域におけるワクチン接種の現状と問題点

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  • ショウニ リョウイキ ニ オケル ワクチン セッシュ ノ ゲンジョウ ト モンダイテン

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「ワクチンで予防できる疾患 (vaccine preventable disease;VPD) はワクチンで予防する」これは, 世界に共通する予防接種政策の基本方針です. 欧米は, この基本方針に基づき積極的に予防接種政策を推進しています. これに対して, 日本は, 予防接種に関連する訴訟が続き, 麻疹・風疹・ムンプス (MMR) の問題を契機に, 予防接種政策が停滞し, 以降十数年, 新たなワクチンの開発や導入がないまま, 現在を迎えています. 欧米は, この日本の停滞期にも, インフルエンザ桿菌b型 (Hib) ワクチン, 結合型肺炎球菌ワクチン (PCV), さらには多価混合ワクチンの開発や導入を積極的に推し進め, Hibや肺炎球菌による侵襲性感染症のみならず, 水痘やムンプスなどの流行をも制御できるに至っています. 日本では, いまだに多くのVPDが抑制できず, ワクチンギャップと比喩されてきましたが, 2008年以降, Hib・PCV7・ロタウイルスワクチンや, 経口生ポリオから不活化ポリオワクチンへの変更, さらには4種混合ワクチンが導入され, ここ数年, ワクチンギャップも解消されてきています. 任意接種の問題, 多価混合ワクチンの導入など, まだまだ改善すべき事項も残されており, 急速に変化しつつある予防接種の現状およびその問題点について概説します.

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