看護記録の充実を目指して
書誌事項
- タイトル別名
-
- 看護記録監査シートの活用
説明
〈はじめに〉<BR>当院では質の高い看護を提供する為、「質・責任・効率の3条件を整え意味ある記録ができる」事を目的とし、看護記録委員会の活動をしている。活動の中で、看護記録の質向上と日々の患者ケアに生かせる事を目的に、看護記録監査シートを作成、実施・評価を行なっている。監査集計結果より当院に於ける看護記録の現状を把握し、看護プロファイルの質向上を目指し取り組んだのでここに報告する。〈方法〉<BR>期間:2004年2月-2005年2月<BR>看護記録監査シート(以下監査シートとする)を看護記録委員会にて作成し、2004年2月から1/Wで開始した。対象患者はICU・HCU・緩和病棟を含めた全17病棟に一週間以上入院している患者(ICU・HCUは72時間以上入室している患者)とした。その監査シートを看護記録委員にて毎月集計し、初回監査時・2回目以降の総数を監査シート項目の一つ一つについて見直す事が重要と考え、データをグラフで数値化した。<BR>〈実施結果〉<BR>看護プロファイルの項目についての集計は、(1)13パターン全項目が記載されているか88.3%(2)看護計画修正時に看護プロファイルが追加されているか73.5%(3)現病歴が記載されているか97.1%であった。(2)の看護プロファイルの修正率が低い事に着目し、2004年6月に各部署スタッフへ看護プロファイルの修正を促すよう啓蒙した。7月に看護プロファイル修正率が低い原因を知る為に、看護師へアンケートを実施した。アンケート結果より特に意見の多かった「時間がない。意識が低く修正できない」という意見に着目し、記録監査時にプロファイル修正をするように対策を講じた。その後監査集計結果は(1)88.3%(2)79.1%(3)97.6%であった。<BR>〈考察〉<BR>監査集計結果の分析では、(1)は特に対策を講じなかった事もあり変化が見られていないが、パス導入により全項目の情報を必要としなかった為に100%に至らなかったと考える。今後、パス導入患者の看護プロファイル活用方法を検討したい。(2)は看護プロファイル修正率が僅かに上昇している事が分かった。しかし達成率が低い現状は変わっていない。これは日常患者情報を把握しているが記録として充分に残していない為である。従ってアセスメントに看護プロファイルが結びついていないと分析する。看護プロファイルの活用が充分出来ていない為、アセスメントに結びついた看護展開を行なえていない現状を知る事となった。今後はアセスメントに生かされるよう、看護プロファイルの活用を更に検討していきたい。(3)は今回データ的に問題視しなかったが、100%に向けて検討をしたいと考える。また委員会に於いても統計処理に終始し、監査項目についての分析が充分でなく、部署へのフィードバックされてない事も要因の一つである。監査結果は効果的なフィードバックがあってこそ充実した看護記録の向上に繋がるものである。今後はフィードバック機能を生かし、即日々のケアに還元できるようにしたい。
収録刊行物
-
- 日本農村医学会学術総会抄録集
-
日本農村医学会学術総会抄録集 54 (0), 163-163, 2005
一般社団法人 日本農村医学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205517443840
-
- NII論文ID
- 130006944076
-
- ISSN
- 18801730
- 18801749
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可