64列MDCTでみる冠動脈プラーク (IB-IVUSとの比較)
説明
【緒言】冠動脈プラークの性状評価は,血管内超音波(IVUS)を用いるのが一般的で現在では後方散乱波解析を考慮したプラーク組織性状診断(IB-IVUS等)が併用されつつある.一方,CTにおけるgrey scaleでのプラーク視覚評価(ROIやprofile curve)には限界がある.新しい解析法を使用したプラークの性状評価が可能となった. 【方法】狭心症患者3例に対しGE社AW 4.3のPlaque MapTMを利用し64列MDCT撮像後,1ボクセル毎に冠動脈プラークのカラー解析を施行した.Schroeder分類と対応させた当院独自のCT値境界と色調(-20~50HU:soft:黄~緑色の3階調,50~120HU:intermediate:青,120~500HU:造影血管内腔:透明,500~2000HU:石灰化:赤)を決定,病変部におけるcross sectional MPR像(multiplanar reconstruction)でプラーク性状解析を行ないIB-IVUS所見と比較した.IB-IVUSでは,lipid pool (-49~-42dB:青),fibrosis(-42~-34dB:緑)~dense fibrosis(-34~-25dB:黄),calcification(-25~-11dB:赤)とIB値によりプラーク性状を規定した. 【結果】CTによるプラーク性状は, 症例1:安静兼労作時狭心症,soft plaque主体の90%偏心性狭窄, 症例2:労作性狭心症, intermediate plaque主体の50~75%偏心性狭窄, 症例3:ASO術前評価,軽度石灰化を伴うmixed plaqueの50~75%中心性狭窄であった. プラーク性状においてIB-IVUSでは,各々soft,fibrous,mixed plaqueの所見が得られCT診断と一致した. プラーク性状に応じたプラーク形態もgeometricalにほぼ一致した.しかし解像度の点でIVUS画像がCT画像に比して優れていた. 【考案】冠動脈狭窄に加えプラーク情報が得られることでインターベンションの計画,心血管イベントのリスクも予測できる可能性が考えられた. さらに高分解能の検出器を積んだCTの開発により,非侵襲的MDCTで診断されるプラークは,侵襲的なIVUSと同等に診断できる可能性がある.
収録刊行物
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- 日本農村医学会学術総会抄録集
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日本農村医学会学術総会抄録集 56 (0), 30-30, 2007
一般社団法人 日本農村医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205517794816
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- NII論文ID
- 130006944467
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可